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zoom RSS 遺産分割に大変革をもたらすか 預金は遺産分割の対象になるか?最高裁判例変更へ

<<   作成日時 : 2016/05/13 08:24   >>

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預金は、相続と同時に指定相続分または法定相続分で分割され、遺産分割の対象にならないと解されてきた。
これは、民法の規定はそうなっているからである。
民法898条は、「相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属する。」と規定しているが、債権については、民法264条は、但し書きで、「法令に特別の定めがあるときは、共有の規定に従わない」となっている。この「特別の定め」が民法427条で、ここには、数量的に可分の債権は、共有されず、当然に分割されると規定してある。つまり、民法898条→民法264条但書→民法427条と順次適用され、相続と同時に当然に分割されるという、世間常識からは、かけ離れた結論になる。
しかも、このときは具体的相続分ではなく、法定相続分で分割される。具体的相続分は家裁の審判基準にすぎず、相続時には法定相続分で相続されるからである。
これが遺産分割実務の常識だった。

ところが、マスコミ報道によると以下のように報道されている。
「「預金は対象外」判例変更へ=遺産分割審判で大法廷回付−最高裁」
「遺産分割をめぐる審判の許可抗告審で、最高裁第1小法廷(山浦善樹裁判長)は23日、審理を15人の裁判官全員で行う大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)に回付した。預金は遺産分割の対象外とする根拠となっている最高裁判例は、実務との隔たりが指摘されており、見直すとみられる。
 大法廷に回付されたのは、遺族の1人が別の遺族に対し、約3800万円の預金などの遺産分割を求めた審判。一審大阪家裁と二審大阪高裁は、遺族間の合意がない場合、預金は分割できないと判断した。(2016/03/23-17:27)」
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016032300695&g=soc
弁論期日も指定されておらず、今後の動きは予測できない。

まず、実際に判例変更になるのかどうか、という問題がある。
現に弊所の案件で、某支部の裁判官から、預金を分割対象から外すと言うなら、「大法廷の判決が出るまで期日を追って指定にする」と言われている。

また、仮に判例変更がなされるとして、その射程範囲がどこまでか、という問題もある。
預金に関してのみ判例変更するのか、それとも可分債権全体について見直すのか、この点も不明である。

仮に、可分債権全体の取扱いを変更するとしたら、使途不明金のように金額がはっきりしない債権についても遺産分割の対象となる。そうなると、その債権の存在と金額が決まるまでは遺産分割ができなくなる。従来は、使途不明金問題については、今は家裁では『それは地裁の問題』と言って遺産分割手続で除外していたが、これがむしろ最初に決めなければならない問題になり、遺産分割手続が使途不明金問題のために長期化するリスクが高い。

一方、預金だけを不可分にしたとした場合は、使途不明金問題は遺産分割の対象から外すことができる。
しかし、遺産分割では、終局的な分割を待たずに預金だけは先に取得したという場合が、かなりある。例えば、自己資金では相続税が支払えない相続人がいるとか、相続人の中に被相続人から扶養を受けていた者がいて、とりあえず当面の生活費のために預金だけは先に取得したいという場合である。
こういう場合、全相続人が解約に同意してくれればいいが、相続税を自己資金で支払える人なんかが、わざと「預金を解約したければ、自分の言うとおりに分割しろ」なんて駆け引きをしてくる場合がある。そうなると、資金に余裕のある相続人が遺産分割協議を引き延ばすことによって自己に有利な条件で遺産分割協議を成立させようとするなどの問題を生じさせるおそれが出てくる。

最高裁が、このあたりについて、どのように判断するのか注目される。


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