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zoom RSS 子の引き渡しを求める審判で考慮される要素

<<   作成日時 : 2017/05/19 09:53   >>

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離婚問題で一番難度の高いのが面会交流と「子の引き渡し」を求める審判です。離婚だけなら大人同士の問題だけだが、この二つは「子供の心」が絡んできます。どの案件でも、絶対の「正解」がない。特に保全処分が申請されている場合、対象が子供であり、その子や家族の一生を左右することにもなりかねない。不動産や金銭なんかの仮処分と異なり、簡単には結論が出せない。しかし、時間をかけるわけにもいかない。担当される裁判官は、本当に大変だと思います。

パターンは、4タイプに分かれますが、いずれのケースでも、以下の原則に従って判断することになります。

「適格性を明白にかかないかぎり、従来の監護者が当面は監護すべきだという原則」
違法だろうと何だろうと、ともかく、従来の監護者が監護するのが子の福祉になるという考えです。これが、大原則です。
「家裁は、当事者間の合意を尊重すべきだという原則」
当事者間で監護者を合意した以上、裁判所は、双方の同意なく一方的に合意内容を変更できないとい原則で、これも、重視されます。
「現実の監護者の変更は子の福祉に反するという原則(数次の強制執行の回避)」。
子供にとって、父のところに行ったり、母のところに行ったりと、ころころ変わるのは、大変な心理的ストレスを与えます。できれば、現状を変更しないのが理想です。
「違法な現状は追認すべきでないという原則」
子供のためには現状を追認すべきだといっても、それだけでは、自力救済が横行し、子供の奪い合いが繰り返されることになります。合意で創り出されたものでない監護状況は、認めるべきではありません。

パターン1
「別居していた夫婦で、夫婦の一方が、事実上の監護親から子供を連れ去る。」というパターン。
夫が別居中の妻子の家に押し入り強引に子供を連れ去ったというのが典型例です。
これは、強引に子供を奪って連れ去るわけですから、連れ去りの違法性が非常に顕著です。特に、父親が従来の主たる監護親である母親から奪い取った場合などは、裁判官も、あまり悩まないでしょう。
しかし、従来の監護者である母親が、強引に子供を奪い取った場合は、「違法な現状は追認すべきでないという原則」と「従来の監護者が監護すべきだという原則」がぶつかり合います。特に著しい違法性は、監護者としての適格性に疑問を抱かせるという意見もあります。
父親からは、「母親が子供を虐待している」と主張された場合も、難しい問題になります。

パターン2
「交代監護の約束にも関わらず返還を拒む(面会交流後も返還を拒む)」というパターン。
交互に、たとえば、隔月で子供を監護していたが、「子供が帰るのを嫌がった」という名目で、子供を返さないというケースもあります。
この場合は、連れ去りという違法性はないが、約束を破ったという点で違法性があります。現状を安易に追認できません。しかし、パターン1ほど、違法性は顕著ではない。

パターン3
「同居中の夫婦間において、夫婦の一方が子供を連れて別居した。」というパターン。

実務で一番多いのが、家に帰ってみたら、妻子が子供とともにいなくなっていたというもので、。夫が妻の留守を狙って子供を連れ去ったというケースもあります。
奪取の違法性はケースにより異なります。母親が子供を連れ去った場合は、違法性はあまり問題にされず、逆に、父親が子供を連れ去った場合は、違法性を追求される傾向があります。この「違い」は、「従来は母親が監護していた」という点にあるのですが、それじゃあ、母親が働き父親が働かないで子供を育てていたケースは、どうかというと、これは男性側に厳しい。男性側からは「差別だ」という意見が聞こえてきそうですが、男性の場合、働かないと「ヒモ」と非難される現実があります。

パターン4
「同居中の夫婦間において、夫婦の一方が未成年者を置いて単身別居した。」というパターン。

妻が夫婦喧嘩して、子供を置いて出て行ったというケースで、夫が家を出る場合もあります。
この場合は、奪取の違法性はあまり問題になりませんが、「子供を置いて出て行った」というのは、監護を相手方にゆだねるという合意があったのではないか、という点が問題になります。


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