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zoom RSS 後継遺贈と相続させる遺言の代襲相続

<<   作成日時 : 2018/04/21 12:54   >>

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設例
次の遺言は有効か
(1)遺産は妻Aに相続させるが、妻が死亡後は、兄の子Bに相続させる。
(2)遺産は妻Aに相続させるが、Aが遺言者より先に死亡した場合は、兄の子Bに相続させる。

回答
1、「妻Aに相続させる」という部分は有効だが、「妻が死亡後は、兄の子Bに相続させる」部分は、単なる希望の表明にすぎないと解されることが多い。
2、有効である。

解説

遺贈・「相続させる遺言」には、条件や期限をつけることが可能である。
例えば、以下の条件・期限等がついた遺贈も有効である。
「条件付き遺贈」  孫が弁護士になったら○○マンションを遺贈する。
「期限付き遺贈」  平成〇年〇月〇日になったら、Aに遺贈する。
「補充遺贈」    Aに遺贈するが、Aが拒否したらBに遺贈する。 
「裾分け遺贈」   Aに遺贈するが、その一部をBに与えよ

設例(1)について
実務上、問題になるのは設例(1)の「後継ぎ遺贈」である。実務では、
「妻Aに相続させる」という部分は有効だが、「妻が死亡後は、兄の子Bに相続させる」という部分は遺言者の希望の表明であり、法的効力はないと解されている。
最高裁判例
参考判例a@最高裁昭和58年3月18日判決は、@負担付遺贈なのか、AAが死亡時に所有しているなら、その時点でBに移転させる条件付き遺贈の趣旨なのかBAの死亡を不確定期限とする遺贈なのか、その趣旨を問題にしている。
この点が明確になれば、後継ぎ遺贈も有効というのが最高裁判例である。
(公証人実務)
ただ、後継ぎ遺贈は、何かと問題があり、紛争原因になるから、できるだけ避けようというのが実務の大勢で、現実には、公正証書遺言には、ほとんど例はない。
(登記実務)
登記実務でも、この遺言書だけでは、Aの相続登記はできるが、Bの相続登記はできないという取り扱いである。

設例(2)について
遺言で第三者へ遺贈することを定めていた場合に遺言者の死亡以前に、受取人とされた第三者(受遺者)が死亡したときは、その効力を生じないとすることは民法994条1項ではっきりと定められているが、最高裁は、「相続させる遺言」でも、同様の解釈をとっている(判例a@参照)。
そこで、公証人実務では、現在、設例(2)のような文言を用いて、遺言で代襲相続を可能にしている。


弁護士注意点
受益者連続信託制度
後継ぎ遺贈を確実に有効なものにするためには、後継ぎ遺贈と類似する効果をもつ受益者連続信託制度を使うのも一つの方法である。
本件でいえば、委託者が受託者に信託を設定し、委託者死亡後は、妻Aを第1次受益者として指定し、また妻Aの死亡後は、兄の子Bを第2次受益者として指定すれば、後継ぎ遺贈と同じ結果になる。
特に、子供に障がい者がいる場合、この方法は有効である。委託者自身を第一受益者とし、委託者が亡くなった後は高齢配偶者を第二受託者とし、配偶者が亡くなったら障がいのある子を第三受益者とする後継ぎ遺贈型受益者連続信託を設定し、信託の残余財産がもしあれば、その権利帰属者に介護施設等を指定することまでできる。
(問題点)
@現行の相続税制においては、第二次受益者、第三次受益者、その都度、相続税を納税しなければならず、税務面から見て節税になるとは言い難い。
A意見が分かれているが、遺留分の対象になるとも解する立場もあるから、権利関係を複雑化させないために、遺留分への配慮も必要となる。

【参考判例 最高裁昭和58年3月18日判決】
「第一次遺贈の条項は被上告人に対する単純遺贈であって、第二次遺贈の条項は被相続人の単なる希望を述べたにすぎないと解する余地もないではないが、本件遺言書による被上告人に対する遺贈につき遺贈の目的の一部である本件不動産の所有権を上告人らに対して移転すべき債務を被上告人に負担させた負担付遺贈であると解するか、また、上告人らに対しては、被上告人死亡時に本件不動産の所有権が被上告人に存するときには、その時点において本件不動産の所有権が上告人らに移転するとの趣旨の遺贈であると解するか、更には、被上告人は遺贈された本件不動産の処分を禁止され実質上は本件不動産に対する使用収益権を付与されたにすぎず、上告人らに対する被上告人の死亡を不確定期限とする遺贈であると解するか、の各余地も十分にありうるのである」

参考 信託法91条
「受益者の死亡により受益者の持つ受益権が消滅し、他の者が新たに受益権を取得する旨の定め(受益者の死亡により順次ほかの者が受益権を取得する旨の定めを含む)のある信託は、当該信託がされた時から30年経過した時以後に現に存する受益者が当該定めにより受益権を取得した場合であって当該受益者が死亡するまで又は当該受益権が消滅するまでの間、その効力を有する」


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第1巻 相談から訴訟提起まで (担当 森)
相談から訴訟提起までの弁護活動における留意点  
第1 相談
第2 遺産分割調停での使途不明金協議
第3 「遺産に関する紛争調整調停」を 家裁に申し立てる
第4 訴訟提起
   訴状書式

第2巻 訴訟活動&予防方法 (担当 森元)
訴訟活動における留意点 主に争点になる9つの論点
     使途不明金問題を発生させないための予防法  

第1 訴訟での主な争点 被告からの反論
第2 訴訟での主な争点 原告からの再反論
第3 使途不明金類似の問題 遺産収益の使い込み
第4 使途不明金問題発生防止策



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