遺産分割調停前に相続分譲渡・放棄した相続人に排除決定をすべきか

相続分の譲渡は、文字通り、相続人が相続人として有する相続分を、他の人に譲渡する場合で、相続分を譲り受けた人が親族でなくとも、その人は、遺産分割に参加します。遺産共有というのは二元的構造になっていて、相続人は、遺産全体に対し、相続分という権利を持つのですが、同時に、遺産を構成する個々の財産についても、遺産共有持分権を有します。相続分譲渡は…
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子連れ避難か実子誘拐か

一昔前は、所詮は家の中の煩い事として軽視されてきた家事事件が、にわかに注目を浴びているが、その中の一つが、一方配偶者(主に母親)が子供を連れて、突然、行方をくらますこと。 子連れ側からすれば「避難」であり、反対当事者からすれば、「実子誘拐」である。 特に「実子誘拐された」側からの相手方弁護士への攻撃はすさまじく、避難した配偶者側の弁…
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死亡退職金と特別受益

生命保険金は、遺産ではなく、特別受益にもならないが、特段の事情があるときは、特別受益に準ずるというのが最高裁判決で、これを受けて、判例が徐々に累積し、一応の「基準」が確立しつつある。 これに対し、死亡退職金は、どうするのかというと、最高裁判決はなく、判例もいろいろ分かれているし、裁判官の書かれた書物でも、意見が異なっている。 …
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子供に対する性的虐待と面会交流

面会交流依頼事件のなかに、父親から娘に対する性的虐待が問題となる事件がある。 一つは、当初は、母親が代理人を立てずに自分で面会交流調停をしていたが、調停委員会が、ともかく面会させろといってきかないので、何とかしてほしいと依頼に来たものだ。二人で円満に離婚協議し、宿泊付きの面会交流をしていたが、どうも娘の様子がおかしいというので、児…
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負担付き遺贈の取消と履行不能

民法1027条は、負担付遺贈を受けた者がその負担した義務を履行しないときは、相続人は、相当の期間を定めてその履行の催告をすることができる。この場合において、その期間内に履行がないときは、その負担付遺贈に係る遺言の取消しを家庭裁判所に請求することができると規定している。 この規定の趣旨に関しては、二つの見解がある。 撤回権説 …
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DV・モラハラ被害者の子連れ避難

DV・モラハラ被害者といえども、子供を連れて逃亡するというのは、今までの生活のすべてを捨てることであるから、相当の覚悟がいる。また、DVが配偶者だけに向けられるとき、往々にして、自分さえ我慢すればという気持ちから、なかなか避難に踏み切れないし、周囲も、「子供第一」といって、我慢しなさいという圧力をかけてくることが少なくない。 特にDV…
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虐待親と子供

子供の虐待が問題になるとき、虐待親で自分が虐待していると認識している人は、ほとんどいません。みなさん、全員が全員、「子供がかわいいからこそだ」と言います。しかも、それは、本心から言っています。 それだけに、周囲から、それは虐待だと指摘されると、ものすごく反発します。 一方、子供の方も、虐待親に反発する子は、ほとんどいません。たいてい…
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子供基本法制定へ

1989年に採択され、日本が1994年に批准した「子供の権利条約」を契機として、ようやくにして、「子供基本法」が国会に提出された。 実は、「イエ」を重視する超保守層からは、こども基本法には反対意見が続出していた。「基本法はいらない。(家庭を否定する)マルクス主義の巣窟になる」「左派の考え方だ。恣意的運用や暴走の心配があり、誤った子ども…
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相続税法の租税公平主義と租税回避(最三小判令和4年4月19日)

租税法の基本原則は、国税に関しては、租税法律主義(憲法84条)と租税公平主義(憲法14条)の2原則があるが、今回のタワーマンション判決は、租税公平主義が問題になった事件である。相続税法は、不動産の評価を時価としているから、租税法律主義違反は問題にならない。 論点は、通常、不動産の評価は相続税財産評価基本通達に基づき、路線価で評価してい…
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子供のいじめ

「社会あるところ、いじめあり」というくらい、いじめはどこにでもある。それが家庭なら、モラハラ・DVとなり、会社ならパワハラ・セクハラ・マタハラとなる。そして、学校では、いじめとなる。 共通する特徴は、加害者には、いじめているという自覚が全くないこと、往々にして被害者の神経過敏なパーソナリティも原因していて、冤罪もあるということである。…
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最高裁小三令和4年4月19日判決 タワーマンション節税策判決について

最高裁は、本年4月19日、路線価などに基づいて算定した相続マンションの評価額が実勢価格より低すぎるとして、再評価し追徴課税した国税当局の処分を適法と判断しました。 「相続税の課税価格に算入される財産の価額について、評価通達の定める方法による画一的な評価を行うことが実質的な租税負担の公平に反するというべき事情がある場合には、合理的な理由…
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弁護士は、児童虐待について重い公益義務がある(弁護士に対する懲戒・損賠請求等問題その1)

児童虐待は、保護者が監護する児童に対する虐待をいい、①身体的虐待②性的虐待③ネグレクト④心理的虐待の4つのパターンがあります。 監護者による虐待のため外部からはわかりにくいという問題点がありますが、何よりも、監護者自身が虐待をしているという認識を全く欠く場合がほとんどで、児相が児童を保護しようとすると、必ず、虐待監護親からの強い反…
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調停は口頭弁論主義?

家事調停で、書面で主張したがる当事者・代理人が多い。これは、わが国の訴訟が「口頭弁論」ではなく「主張書面の交換」になっているという影響があるからだろう。 このように、口頭での論争は避けて書面を重視するという姿勢は、中国の古来からの文書行政が大きく影響しているのではないかと考えている。印刷や紙という高度な文明が古来から発達した中国では、…
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遺産分割における閉鎖会社の株価判定法3

2月27日のブログの続きです。 【会社の株価鑑定終了後の流れ】 鑑定が終了した後の進行は以下のようになる。 1,事前に鑑定結果に従うという中間合意ができていたときは、中間調書に鑑定結果に従う旨を記載する。 2,当事者の一人が鑑定そのものに反対していたときは、鑑定結果を積極的に争うのか、容認はしないが積極的には反対しないのか、…
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ひたすら遺産相続20年、東京家裁調停委員、無事に定年です。

令和4年3月31日をもって、東京家裁調停委員の定年となり、調停委員を「卒業」させていただきます。ちょうど20年です。多いときは常時20件程度、少ないときでも常時10件程度の事件を担当しました。 20年間、ひたすら遺産相続事件だけを扱っていました。まれに、夫婦親子問題の調停事件も担当しましたが、全然少ないです。 おかげで遺産相続事件に…
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療養看護型特別寄与における「専従性」の要件  専従か専念か微妙な場合

療養看護型特別寄与が認定されるための要件の一つに「専従性」がある。 実は、この用語が非常に微妙で、具体的なケースになると、かなり判断に迷うことが少なくない。 幣著「弁護士のための遺産相続実務のポイント」185頁には「専従性は要求されるが「専業」や「専念」までは必要ない」と書いてある。 一般論としては、この通りである。 じゃあ…
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特別寄与料請求権における「特別」とは、どのレベルか

特別寄与における「特別」とは、扶養義務の範囲を超えるレベルといわれている。配偶者や直系尊属には扶養義務があり、被相続人を療養看護しても、扶養義務の範囲なら、それは義務を履行しただけだから、「特別」とは言えず、寄与はない。 こういう観点から、療養看護型特別寄与では、要介護2以上が原則として要求され、さらに日当計算でも裁量減価がされる。こ…
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性別取り扱い変更審判

性同一性障害者の性別の取り扱いの特例に関する法律により、性別変更の審判ができる(3条) LGBT(レスビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)のうち、トランスジェンダー(性自認と身体的性が一致しておらず、外科的手術による一致を望む状態)を対象とした法律で、この法律に基づく性別変更の審判は、年間1000件近い申立てがあり…
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遺産分割における閉鎖会社の株価判定その2  鑑定前に確認すべきこと

遺産分割における完全閉鎖会社の株価判定については、幣著「弁護士のための遺産相続実務のポイント」106頁以下で、簡易な方法を説明している。しかし、たまに、鑑定となる場合もある。幣著では、株式鑑定については極めて簡単にしか説明しておらず、詳しく述べた書籍もない。おそらく、多くの弁護士は、遺産分割手続き内で行われる株価鑑定についてほとんど知ら…
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療養看護型特別寄与にあたり介護サービスを受けた日数は控除するのか?

療養看護型特別寄与の計算式は、看護日数×介護報酬相当額×裁量割合である。 この場合の介護日数は、在宅期間であり、入院・施設入所期間などは除く。さらに、ショートステイ・デイサービス等の介護サービスを受けた期間も除く。東京家裁の配布する資料にも、そのことは明記してあるし、幣著「弁護士のための遺産相続実務のポイント」でも、「介護サービスを受…
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