テーマ:遺言・遺留分

相続人の「心の問題」を意識しないと紛争が長期化する。

日本加除出版から「心の問題と家族の法律相談」を酒田素子精神科医の協力を得て出版しました。対象は主にDVやモラハラ、ストーカー、難航する面交、児童虐待等で、その原因を精神医学的観点から考えるものですが、この書籍には、遺産分割も取り上げています。 遺産分割は、家族法の一分野ですが、相続した財産をどう分けるかという問題であり、「心の問題…
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遺留分減殺と共有物分割

「相続させる遺言」あるいは「遺贈」により相続人の一人が遺産を取得したところ、それが他の相続人の遺留分を侵害しているときは、遺留分減殺の意思表示をすることになる。 遺留分減殺の意思表示は、物権的効果を生じさせるので、対象物が不動産の場合は、その遺留分相当部分の不動産が遺留分権利者に帰属し、その後は、遺留分権利者と遺言・遺贈により不動産を…
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遺言書の調査方法

遺産相続が起きると必ず遺言書の存在が問題になります。実務では、遺言書の有効無効が問題になりますが、今日は、「存在の有無」の話です。 公正証書遺言については、遺言検索システムがあります。これは、原則として、平成元年(S64)1月1日以降、全国の公証人役場で作成された公正証書遺言・秘密証書遺言の存在の有無を検索できるものです。 ただ…
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「相続させる遺言」がありながら遺産分割の対象になる場合

遺産分割の対象財産は、未分割であることが必要である。言い換えれば、すでに分割されている遺産は、全相続人の同意がなければ、分割対象になることはない。 これは、当たり前の理屈だが、現場でこの問題に直面すると、当惑することがある。 第1に、可分債権は、相続と同時に分割されるから、すでに分割済みの遺産であり、遺産だが遺産分割の対象にならない…
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遺留分減殺請求権の譲渡

民法上の財産権には、一身専属権と言われるものがありますが、民法は、二つの一身専属権を規定しています。 〔帰属上の一身専属権〕 ひとつは民法896条本文・但書が定めている「帰属上の一身専属権」と言われる権利です。 「相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、こ…
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相続させる遺言と遺留分の関係

被相続人が唯一の遺産である不動産を、長男に8分の7、次男に8分の1相続させると遺言した。次男の遺留分は4分の1である。次男は、遺留分減殺の意思表示をした。 1、論点 Qこの遺言は、相続分の指定か分割の指定まで含むか。 A登記所や公証人実務では、これを分割の指定と認識しているようである。分割の指定まで含むとすると、遺産分割の余地は…
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遺留分減殺請求権は3回変身する。遅延損害金・家賃との関係は

遺留分の争点は、主に、いくら払うかにつきるが、付随問題として家賃の清算、価格弁償金に対する遅延損害金の清算という問題も生ずる。価格弁償金に比べたら金額はわずかだが、対象物が数億円以上だと、かなりの金額になり、無視できない。 まず遺留分を行使すると、減殺請求権は物件返還請求権に変身し、遺留分相当の共有持分権を取得し、対象が不動産の場…
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「相続させる遺言」では遺言執行者の仕事はない?

遺言実務では、普通は遺言で特定の相続人に財産を承継させるときは、「相続させる」という文言を使い、相続人以外の人に承継させるときは「遺贈する」という文言を使います。 実は、民法は、本来、特定の人の特定の財産を承継させる遺言では「遺贈」という形式しか予定していませんでした。相続は包括承継、遺贈は特定承継。しっかりと棲み分けをしています…
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保険金受領と特別受益

〔設例〕 被相続人は父で、相続人はA・Bの二人の子供。被相続人は生命保険をかけていて、受取人は相続人A。金額は1000万円。相続財産は時価100万円の株式のみ。 こういう場合、相続人Aが取得した保険金は、特別受益になるだろうか。 〔遺留分〕 Aが受領した保険金が特別受益になるなら、その保険金は遺留分減殺請求の対象にできること…
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遺産の一部につき「相続させる遺言」がある場合の遺留分と遺産分割の関係

[ケース] 相続人は、A・Bの二名。遺産は不動産と現金(預金ではない)2000万円。 遺言で不動産をAに全部相続させるという遺言があった。不動産の時価は1200万円。 この場合、Bの遺留分は、3200万円の4分の1、つまり800万円である。 [本来の事件処理の進め方] この場合、まず現金2000万円を遺産分割し、その後に、…
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会社に対する遺贈は、会社と相続人を倒産させる!

被相続人が、自分が作り上げた会社の永続を希望して、遺産を会社に遺贈することがある。しかし、これは、遺贈された会社に、かなりの重税が課せられるばかりか、相続人にも、譲渡所得税と相続税のダブルの税が加算されることを覚悟しておいた方がいい。 場合によっては、会社は法人税を払えず倒産することもあるし、相続人も、譲渡所得税と相続税を支払うことに…
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無効な自筆証書遺言を有効にする。

自筆証書遺言は、素人が作るだけに無効になることがけっこうある。多くは、日付がないとか、印鑑がない、あるいは一部がワープロ打ちになっているというもので、遺産分割実務では、こういうケースに結構遭遇する。 単なる形式的なミスで、法律関係が全く変わってしまうわけで、中には、気の毒だなと思うケースもある。例えば、永年連れ添った内妻に全財産を遺贈…
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弁護士は遺産紛争を未然に防ぐことができるか

最近、相続分野に進出する弁護士が多く、その中で、一番多い宣伝文句が、「事前に弁護士に頼んで遺言をきっちり残しておけば紛争にならない、相続人たちは仲良く暮らします。」というフレーズです。「相続を争続にさせない」という、うまいキャッチフレーズで宣伝している弁護士もいます。 [都会では、普通の家庭でも相続紛争が起きる] 確かに、何も遺…
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遺産分割が未了の場合の遺留分侵害額の計算

実務的には、結構、遭遇する問題です。 例えば、父母の二人の息子(長男A・次男B)がいて、まず父が死亡した。遺産は、1億円の不動産があるだけで、他に遺産はない。 遺産分割をしないまま、母も死亡した。母は、「全財産を長男に相続させる」という遺言を残していた。母の遺産は、父の未分割の相続財産以外には何もない。こういう単純なケースを考えてみ…
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「相続させる遺言」をする際の「相続分の指定」と「分割方法の指定」

遺言書を作成するとき、全体の遺産割合を定める場合もあるが、ほとんどの遺言は、特定の財産を特定の相続人に「相続させる」というものである。 ただ、この「相続させる遺言」は、厳密に言うと、 ① 遺産分割の分割方法を指定する場合と、 ② 単に個々の遺産の相続割合(相続分)を指定する場合と、 ③ この両方を指定する場合がある。 例え…
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どっちの勝利?

例1 具体的相続分vs相続分の指定・分割の指定 遺言で、「遺産のうち住居を、相続人Aに5分の3を、相続人Bに5分の2を相続させる」遺言がある場合、この割合は、特別寄与や特別受益による修正を受けるか。 [この遺言が相続分の指定と解される場合] この割合の指定を指定相続分と解すると、法定相続分同様、修正を受ける。 [この遺言が分…
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「相続させる」遺言は、一言で言うと、相続による遺贈。

[民法の立場 特定財産の承継は、本来は遺贈] 遺言を作成する場合、特定の財産を特定の相続人に取得させようとするとき、民法が本来予定した形式は遺贈である。相続というのは本来包括的なもので、特定の遺産を特定の相続人に取得させたいときは、遺贈しなさいというのが、民法の考えである。 例えば、相続人が長男・次男の二人で、遺産がA不動産とB不動…
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遺留分減殺請求権の行使期間

遺留分減殺は、「遺留分権利者が、相続の開始及び減殺すべき贈与または遺贈のあったことを知った時から1年」で時効により消滅し、相続開始から10年経過すると消滅する。 短期1年、長期10年と言われる期間であるが、厳密に言うと、1年は消滅時効であり、10年は除斥期間である。 [1年の始期] このうち短期については、「減殺すべき贈与また…
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遺留分減殺訴訟と遺産分割における「特別受益者」の違い

遺留分減殺と遺産分割は、外見的には似ているところがある。法定相続分を基準として遺産を分割するのが遺産分割、遺留分つまり法定相続分の半分を基準として遺産を分割するのが遺留分減殺。なんとなくそういうイメージがある。 そのため、専門家であるはずの弁護士が、遺留分減殺事件なのに、家裁に遺産分割調停を申し立てる例が後を絶たず、家裁を閉口させてい…
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遺言の効力  抵触行為を理由として遺言の効力を争う

遺言の有効性に関するトラブルは、非常に多い。偽造だ、とか、遺言能力がなかったといって争うのが普通だが、「遺言が撤回された」として争うのも、一つの方法である。 被相続人Aが、遺言を書いて相続人の一人Bに全遺産を相続させると遺言した。もう一人の相続人Cとは、遺言作成当時、疎遠の関係だったのだ。しかし、その後、AとBの関係が悪化し、逆に…
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自筆証書遺言「偽造」問題について裁判所は、どのように判断するか

最近、やたらと相談・依頼が多いのが、自筆証書遺言の有効性に関するトラブルである。「被相続人の書いたものではない」「被相続人は、書く能力はなかった」等々、その理由は、もろもろであるが、おおむね、 遺言能力がないといいう理由で無効を主張する場合と 偽造だという理由で遺言の無効を主張する場合とに 分かれる(ただし、法律的には、遺言の偽造…
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不動産使用貸借権減価 「自用地理論」は、なぜ廃れたか

〔使用貸借とは?〕 「ただで使える」という権利を使用貸借と言います。「お金を支払って使う権利」は、賃貸借です。 〔不動産使用貸借の相続性〕 さて、この使用貸借ですが、民法では、相続性を認めていません。「ただで使える」という権利は、「あんただから、特別に無料でいいよ」という状況で貸すのが普通ですから、相続人に代々「ただで使える権…
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遺留分を無効にする裏技―相続放棄

被相続人の財産は、被相続人の所有物ですから、本来は、何をしようと自由です。全部公共団体に寄付してもいいし、家族に残さず、全部、愛人にやってもよい。 ただし、被相続人の自由だといっても、相続人は、被相続人の財産に一定の固有の権利があります。遺留分と言われる権利で、妻や子供が相続人のときは全財産の半分、亡くなった方のご両親のみが相続人の時…
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遺留分行使の対象物が売却・処分されたときは、どうなる?

遺贈・遺言で、あるいは生前贈与等で、遺産が特定の者に集中し、他の相続人の遺留分が侵害されたとき、相続人は遺留分の侵害を理由として、目的物の返還を求めることができる。 例えば、被相続人が父、相続人が2人の子供AとBの2人、遺産は、不動産のみの場合、生前贈与、あるいは遺言で、この不動産が相続人Aに移転されたら、相続人Bは、Aに対し、遺留分…
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自筆証書遺言の有効性の判断 特に筆跡について

時代や社会の変化とともに裁判所に継続する事件は変化する。例えば、過払いなどは、一時、地裁民事事件の半分を占めたが、今は、激減している。逆に増えたのが、自筆証書遺言の有効性を争う訴訟である。一昔前には考えられなかったような激増ぶりだ。 自筆証書遺言の有効性は、主に二方面から争われる。一つは方式の欠陥があるかという形式的側面からであり…
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尽くしてくれた人のために遺言書を残すと、かえって仇になることがある。

「遺言」でググると、弁護士のホームページが山ほど出てきて、そのいずれもが「お世話になった人に財産を残すためには遺言書の作成が必要です」「是非とも当事務所に遺言書の作成をお任せください」と宣伝している。 しかし、実は、ここに一つの大きな落とし穴がある。遺産分割になったときのことを考えて遺言書を作成しないと、遺言書を作成することが、か…
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遺言の意思能力は、「医療記録が全て」というほど単純なものではない

遺言の有効無効を争う依頼事件や相談は、絶えずそれなりにある。自筆証書遺言では、偽造ではないかがよく論争となり、公正証書遺言では、「口授」があったのかが争点となることが多いが、遺言能力の有無は、自筆証書遺言でも公正証書遺言でも共通して、必ずといっていいほど争点になる。 こういう場合は、医療記録や介護記録などを検討して、遺言能力があっ…
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公正証書遺言は、意外と無効になることが多い

公正証書のメリットの一つは、後日、その成立の真性さを争うことが難しいということである。公証人が関与して作成されている以上、判決と同等の真性さがあるとされ、だからこそ、公正証書があれば、裁判をしなくても強制執行できるのである。 ただし、これが遺言となると話が全く別である。公正証書遺言は、結構、無効とする判決が出ているのだ。 その多…
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「幸福な老後」を実現するための遺言方法は、任意後見とセットにすること

世間では「遺言セット」が売れたり、弁護士等が遺言書作成業務を大々的に営業したり、高齢化社会を迎えて、いまや、遺言が重要なキーワードになりつつある。経営コンサルタントなどは、弁護士に、過払い金のあとは遺言書作成業務だと「経営指導」しているようである。 しかし、大切なことは、遺言書だけを作成するのではなく、遺言書と任意後見制度をセット…
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信託と家事事件その2

今日は、先々週述べた家事事件と信託法についてです。 信託法の活用場面としては、以下の2つが考えられます。 第1に、、高齢者や身体障害者など、物理的に管理が困難でも、事理弁識能力がある人、それから、浪費癖のある人は、成年後見制度の枠外にあるため、財産管理を第三者にゆだねる有効な方法がありませんでした。 しかし、この信託を活用…
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